その優位性を測らず始めたことは失敗しやすい。実業でもトレードでも、本当の負ける理由は、ギャンブルとギャンブルまがいの区別がつかないからだ。
ギャンブルまがい。
お金を稼ぐには、雇用されて自分の時間という商品を売り、経営者であれば自前の商品を売り、投資や投機であればお金という商品を売る。ふつう、お金を稼ぐには、人、商品、サービスが介在するが、投資や投機は、お金そのものをダイレクトに取引しているので、稼ぐ手順を省略することができる。
この「省略」には、暮らしを豊かにするとか、困った人を助けるとかいう価値を産まずに、お金だけを手っ取り早く手に入れるという怠惰なイメージがつきまとう。確かに投資や投機は、労働時間の制約もないし、商品やサービスを生産する手間もない。
しかし、カジノや競馬のようなギャンブル以外にも、ギャンブルまがいな行為は存在する。
将来のない会社に、人生で最も大切な、自分の時間を売るのはギャンブルまがいではないだろうか?
価値の薄い商品やサービスを、さも凄そうに宣伝して情弱な人たちを反応させて買わせるのはギャンブルまがいではないだろうか?
自分の味に自信があると思い込み、市場調査もせずに始めるお店はギャンブルまがいではないだろうか?
もちろん、相場が動く原理も知らずに、大枚をはるトレーダーはギャンブルまがいである。
負けが確定するまでのタイムラグはそれぞれだが、ギャンブルまがいにするかしないかは本人の考え方であって、システムの問題だけではないと思う。
感情と確率思考。
ギャンブルとは分析の結果、優位性のある方にかけるもので、思考のベースには「確率」という客観性がある。これに対してギャンブルまがいとは、自分の思い込みなどの「感情」がベースになっていて、極めて主観的なものです。トレードもビジネスも感情をベースに動いている限り、一貫性が保てなく、うまくいったとしても一発屋で終わる可能性が高い。本当のギャンブルとは確率思考をベースに、行動の一貫性を保つことであって、これは職業を問わず大切な考え方です。
ギャンブルとリスクは表裏一体であり、リスクを取ることは避けられません。裏を返せば正しいリスクさえ取れれば、大きなリターンを得られます。たとえば、高額な教育費というリスクを払って、子供を医者にすれば、高い確率で高収入という大きなリターンが得られるというのも、言ってみればギャンブルと同じことです。
ただし、正しくリスクを払うのと、スリルを楽しむのとは似て非なるものです。確率思考がベースにないなら、それは単にスリルを楽しむだけのギャンブルまがいな行為です。スカイダイビングやバンジージャンプをするのと同じで、遊びでやるなら否定しませんが、決して安定した稼ぎにはつながりません。
本物のギャンブラーはギャンブルまがいをしない。
ギャンブルを職業としている本物のギャンブラーは、ステータスも高くフォーブス誌などでも世界的に評価されていまず。彼らの皆、確率で考え、勝算があるときにのみ勝負に出て、決して感情だけで動くことはありません。そう考えると、実業やスポーツの世界で成功する人は、皆、ギャンブラー気質なのかもしれません。本物のギャンブラーは、肝心なところで、しっかりリスクを払い、失敗すれば責任をとります。
ビジネスでもトレードでも、ギャンブルまがいで始める人は、リスクをとるタイミングの見極めが弱く、失敗したら周りやシステムのせいにします。特に投資や投機という分野は、社会的にギャンブルのイメージがあるので、自分の敗北を正当化しやすいです。
ギャンブルまがいなことをしてしまった自分の愚かさに原因があることに気付かない限り、こういう人は何度やっても成長はないでしょう。
FXを生業としていくことを目指す上で、心の軸に据えるべき内容だと思いました。
また、雇われ人であっても、働くに当たっての目標というイグジットポイントがあり、そこに到達出来るかどうかは確率に支配されているのだということは、理解している必要があるとも感じました。
どんな人生を生きるにせよ、正しい賭けをすべきであり、まがい物に陥っては負けなのですよね。
私は自分のトレードがギャンブル紛いにならないよう、自分を戒めていこうと思いました。
役立つ記事を公開していただいてありがとうございます。
当ブログ、初コメントありがとうございます。「迷晴れFX」のようなノウハウ系のブログではないですが、おっしゃるとおりの「心の軸」みたいなものをお伝えしていこうと思います。